ウオーキング、時々トレッドミル

気が付けば60歳!! 旅と写真が好き。8年前に思いついてダイエットとウオーキングで標準体重に。また体重が戻り始めたのでトレッドミルも使って健康維持頑張ります。

プラン75と寅さん

今回の里帰りでは、色々と日本のドラマを見ることができました。
こちらからラップトップPCを持って行ったので、ネットフリックスであれこれ見たり、カンタスのフライトの中ではどれも聞いたことがない映画の中で、一つ目に留まったのが、プラン75.
倍賞千恵子さんが出ているということで、前評判を全く知らず見ました。
ちょうど父が88歳で認知症で、介護が必要となっている今、自分も含めて、高齢化社会をどう生きていくかという課題の中、75歳になった時点で、自分の死を選べるというセンセーショナルな命題。


選べるというよりも選ばなくてはいけないのかと思わせる雰囲気。この厄介な同調圧力が、自分の意思なのか、そうしなければいけないという義務感なのか。安楽死というものが認められない根本の理由。。生きたい人を生きてはいけないと他人に決められてしまうことの危険性。考えさせられます。


契約した人に配られる一時金。それさえ使いきれず死んでいく人達。遺品の引き取り手のいない故人の遺品を種別する作業が、ナチスドイツの収容所のシーンと重なります。


現在の、高齢者社会が進む日本で、父の介護システムをみていると、日本の手厚いケアシステムは、本当に素晴らしいものですが、安い人件費によって支えられているという事実。このままではきっと済まないなぁ。という気持ちが湧いてきます。
でも、あまりにリアルで重い題材だったので、倍賞さんはどんな気持ちで演じられていたのかと思っていました。


そしたら、これ、カンヌ映画祭で賞をいただいてる作品だったんですね!!!なるほど。


そして、偶然ネットフリックスでサーチしていたら、”お帰り、寅さん”。
2019年の作品ですが、後藤久美子さんの久々の姿、吉岡君や、前田吟さん、美保純ちゃん、浅丘ルリ子さん、そしてほかにも沢山懐かしい顔が。
我次郎さんも、これには昔のまんま。
倍賞さん演じるさくらちゃんの、50年前の本当に桜の花の様な笑顔。


あの、メロンのエピソード、私も憶えてました。たったメロン一つで、家族全員で右往左往する場面。記憶の中では、寅さん、ほんとにトラブルメーカー。ああいう言い方ないんじゃないの?めんどくさい人。みたいな印象だったんです。
でも、この年になって見るとあれってホントに泣き笑い。
渥美さんの、まじめな言い方で、自分のメロンを残してくれなかった家族にあれだけ攻め立てる部分。普通に考えると相当おかしいんだけど、あの寅さんの表情と家族の表情。
さくらさんが、メロンを見ると、お兄ちゃん思い出しちゃうのよね。って。
私も思い出していました。


後藤久美子さんの、とても自立した女性の雰囲気、流ちょうな英語とフランス語。彼女も異国に家族を作り、その土地に馴染み、色々あったんだろうなぁと、思いながら見ていました。


寅さんみたいなお節介なひとは”うざい”という一言で終わらせられそうな、近頃。
心があたたかくなって、やっぱり、寅さんに会いたい。って思わせてくれる映画でした。


そうそう、桑田さんの歌も良かった~~~。思い切り昭和に浸った時間でした。


倍賞さんの映画を二本続けてみることができて、良かったです。


そして、蛇足ですが、見たかった映画Drive my car もみられました。村上春樹さん原作のアカデミー賞候補作品。偶然古本屋さんで、女のいない男たち の短編集を買っていたので、ドライブマイカーを読んだ後、映画見ました。


う~~ん。あの短編が3時間もの。う~~ん。随分話が盛られてないか?
う~~ん。米国アカデミーは本当にこれがそんなにいい作品とおもったの?
西島さんは確かに最高でしたが、私には、難しかった~~。
劇場で見ていたら、寝落ち確定でした。ネットフリックスでよかった。ということで相変わらず庶民です。寅さんのほうが私には染み入ります。


こちらに戻ると、日本のNetflixドラマが見られないのが本当に残念。(英語翻訳されていないと、こちらで視聴できなさそうです)