ウオーキング、時々トレッドミル

気が付けば60歳!! 旅と写真が好き。8年前に思いついてダイエットとウオーキングで標準体重に。また体重が戻り始めたのでトレッドミルも使って健康維持頑張ります。

93歳の大先輩と話し込む床屋さんの店先

日本に帰るとヘアカットを必ずします。
やっぱり、日本の美容師さんのカットはどこに行っても一番。


私の住むところにもいらっしゃるのでしょうが、カットに70ドルとかかかっている時点で、子育て中の私には無理でした。


ロンドンに住んでいたころは、夫は高収入だったので、平気でオックスフォードストリートとかにある日系美容室に行っていたのに、オーストラリアに行ったとたん、ドットコムバブルが弾けて、失業期間が長かった夫。幸い、イギリスの家を売って出た利益でこちらの家は払い終えていたので、お金には困りませんでしたが、子供二人抱えて初めの10年は、いきなり緊縮財政の我が家でした。


まぁ、郊外に住む身としては、アジア系の美容師さんでお願いしています。
ベトナム人の美容師さんで上手な人がいるのですが、予約を取るのが結構面倒で、出来ることなら日本に行ったとき。と思っています。


日本でも素敵なご夫婦で営業されているところがあって大好きなんですが、ヘアカット代が5000円になってしまいました。
シャンプーやブローが入っているし、上手なので、適正価格ですが、私にはちょっと痛い。


ということで、カットだけやってくれるところをGoogleで探したら、ヘアカットの専門学校で講師をやってる人がやっているカット専門店があるじゃないですか。
写真を見ると、もろ床屋さん。
男性1000円、女性2000円。
シャンプー、ブロー無し。男性の場合、髭剃りなど無し。
早速行ってみたら、何人も待っているんですが、みんな70歳ぐらいのおじさんたち。
勇気を出して、並びました。
鈍感力はここでも助かります。


結果は二重丸。うまい、早い、安い。なんです。
私の希望の形にこともなげにしていただきました、


ということで、今回の帰国でもさっそくヘアカット。


店内は6人ぐらい座れるんですが、もうすでにおじさんたちが座っていて、外に一人年配のご婦人が。思わず笑顔で(マスク外してます)挨拶をして、隣に座って話し始めました。
今年の桜の話から始まって、この床屋さんが上手な事や、昔行った旅行先の話など。


彼女はしっかりした話し方で、話が途切れません。
私はもう、年だからと言いつつ、そんなことは、、、と言っていたら、93歳なんですとおっしゃる。
本当に80代初めにしか見えなかったので、(何なら70代後半でも十分行けます。)びっくりしました。


何十年も前に、次男がオランダ駐在だったとき、キューケンホフに行った話や、その次男さんが空港に迎えに来てくれた話を本当に嬉しそうに語るその人。
その当時ヨーロッパに3週間ぐらい旅行して色々なところを見られたのは一生の思い出だと。
父が88歳なので、戦争当時の話も出ました。
私の父は、小学校が終わるときに終戦を迎え、その婦人は女学校が終わる年に終戦を迎えたので、Teenagerの多感な時を戦争で無駄にしたことを話してくれました。


女学校で、軍のためにと、風船爆弾の作成をしたんだそうです。アメリカに飛んでいくようにと、紙を貼って。。。竹槍で敵と戦うようなものですよね。
本当に戦争は嫌よ~。と何度もおっしゃっていました。


93歳にもなるのに、一人暮らしでお元気でいろんな会話ができて、杖は使用しているものの、日々の食事はスーパーのお惣菜を利用して、ご近所さんが、毎朝生存確認してくれているので、朝、決まった時間に、雨戸をあけて、カーテンを開けたりするの。なんて話を聞きながら、羨ましいなぁ。私の父もこのぐらいしっかりしていたらなぁ。と思いました。
こればかりは、本人が選べることではなくて、その時が来ればそうなってしまうのだけれど。


しいていうなら、今年の桜は満開がちょっと早く来ましたね。と繰り返していらっしゃいましたが、出来ることなら、私も人生の終わりまで、笑顔で自分の人生を振り返られるといいのになと思いました。



お陰で、待ち時間の90分ぐらいはあっという間に過ぎ、こうして、見知らぬ人とあれこれ話すことの楽しさを味わって、とても満ち足りたヘアカットの日になったのでした。